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健康コラム 第4回

血液検査結果の見方

皆さんは血液検査の結果の見方を知っていますか?仕事柄、中高年の方とお話する機会が多く、最近特に耳にするのは血液検査の項目「血糖値」・「中性脂肪」・「コレステロール」の言葉。『「中性脂肪」・「コレステロール」は分かるけど“LDH”“γ-GTP”って何?』皆さんは血液検査の項目である様々な言葉について、どの様な数値で、場合の説明を納得いくまで受けていますか?数値が高い場合、低い私が思うに、ほとんどの方は『No』だと思います。そんなみなさんに血液検査の項目を詳しくご説明いたします。

血糖値(BG)
[正常値:70~110mg/dl]
血糖とは血液中に含まれるブドウ糖のこと。体内に摂取されたブドウ糖は、グリコーゲンという物質に変えられ肝臓で蓄えられる。そして必要に応じてブドウ糖に分解され、血中に入り、全身の組織に運ばれる。この糖代謝に必要なのが膵臓が分泌するインスリン。糖尿病でインスリンが不足すると、血液中の血糖値は上昇。空腹時で140mg/dl以上なら、糖尿病の可能性も。
●数値が高い場合・・・糖尿病
●数値が低い場合・・・インスリンの注射量・服用量が多すぎる
血清アミラーゼ
[正常値:62~218IU/l]
膵臓から分泌される消化酵素で、膵臓の障害を調べるポピュラーな検査。働きは主にでんぷんなどの糖分を分解すること。唾液にも含まれていので、ご飯などをよく噛むと甘みが出るのはこのアミラーゼによるもの。膵臓に障害があると、血中や尿に流れ込むので、急性膵炎では急激な上昇が見られる。痩せ型の人は肥満型の人よりも2割ほど数値が高い傾向がある。
●数値が高い場合・・・急性膵炎、流行性耳下腺炎、腎不全マクロアミラーゼ血症、肝障害など
●数値が低い場合・・・慢性膵炎の末期、膵ガンの末期
総コレステロール(TC)
[正常値:110~250mg/dl]
血清脂質のひとつで、脂肪の多い食事を続けていると上昇する。血清コレステロールが多いと動脈硬化を起こしやすくなり、狭心症や心筋梗塞の引き金になる。しかし、ある程度の量はカラダに必要。例えば、脂肪の消化を助ける胆汁酸はコレステロールを材料としている。食物から摂取する以外に肝臓などで作られ、肝臓、胆道、腎臓、甲状腺の病気で数値が上下することもある。
●数値が高い場合・・・動脈硬化、糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下による粘液水腫など
●数値が低い場合・・・肝硬変、劇症肝炎、甲状腺機能亢進症など
HDLコレステロール
[正常値:男)30~62 女)40~68mg/dl]
コレステロールはシュー皮のような蛋白質にくるまれて血液中に溶け込んでいる。これをリポ蛋白と呼ぶ。リポ蛋白は主に2種類あり、ひとつがLDL、もうひとつがこのHDLだ。俗に善玉コレステロールと呼ばれているHDLコレステロールは、LDLが血管壁に沈着させたコレステロールをきれいに掃除する役割を持つ。したがって正常値よりも低い場合に問題がある。
●数値が低い場合・・・高脂血症、肝障害、腎不全、肥満、糖尿病、虚血性血管障害、脳梗塞など
アルブミン(ALB)
[正常値:3.9~5.0g/dl]
血漿中にもっとも高い濃度を示す蛋白質で、全体の50%以上を占める。肝臓で合成されるので、アルブミンが低下すると肝疾患が疑われる。また、肝臓病の判断や、蛋白質の吸収が十分でない疾患の診断としても役立つ。アルブミンは病気等で栄養状態が悪くても減少するので、現在の血液検査では健康診断のスクリーニングとして大きな意味を持っている。
●数値が高い場合・・・脱水状態(ヘモグロビンも同時に上昇)
●数値が低い場合・・・肝硬変、肝疾患、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍、甲状腺機能亢進など
A/G比
血清蛋白の中で大きな割合を占めるアルブミンとグロブリン。このふたつの蛋白質の比率を出すことで、より確かな診断が行えるようになる。健康な人ではその比率は一定の範囲にあるが、病気によってはその比率が低くなることが多い。たとえば慢性肝炎や肝硬変では、肝臓で作られるアルブミンが減少、逆にグロブリンは増加し、A/G比率は低下する。
●数値が高い場合・・・脱水症など。高値化はまれ
●数値が低い場合・・・肝障害、骨髄腫、ネフローゼ症候群、感染症など
中性脂肪(TG)
[正常値:50~140mg/dl]
コレステロール同様、血清脂肪のひとつ。数値が高いと、糖尿病をはじめとする生活習慣病の誘因となる。成人では男性が女性よりもやや高く、更年期後は女性の方が高くなる。数値は食事の量や季節によって変動する。動物性脂肪のような高カロリー食は数値を上げ、12時間以上たたなければ元の数値に戻らないので、食後12時間を経ていなければ正しい数値が得られない。
●数値が高い場合・・・痛風、糖尿病、肥満症、動脈硬化症、脳血栓、高血圧、肝・胆道疾患など
●数値が低い場合・・・下垂体機能低下症、副腎不全、慢性肝炎、肝不全、肝硬変、甲状腺機能亢進症など
総ビリルビン(T-Bil)
[正常値:0.1~1.2mg/dl]
血液中のヘモグロビンが分解してできた物質で黄色の色素。胆汁に多く含まれているため、胆汁色素とも呼ばれる。黄疸で黄色く見えるのはこのビリルビンによるもの。直接型と間接型の2種類があり、合計したものが総ビリルビン。数値が2.0以上になると、潜在性黄疸と診断され、肝機能や胆管通過障害が起きている可能性がある。3.0以上になると軽度の黄疸が見られる。
●数値が高い場合・・・肝炎、肝がん、胆道閉塞、胆石溶血性黄疸など
●数値が低い場合・・・シャント高ビリルビン血症、新生児黄疸など
尿酸(UA)
[正常値:男)3.4~8.0 女)2.3~6.1mg/dl]
DNAやRNAといった核酸の代謝によって生じる老廃物が尿酸。痛風の原因としてよく知られている。骨髄、筋肉、肝臓などで作られ、腎臓によって濾過される。核酸の原料であるプリン体を多く含む動物性蛋白や豆類、貝類、カマボコなどを多く食べると数値は上昇する。
●数値が高い場合・・・痛風、白血病、悪性リンパ腫、溶血性貧血、糖尿病、腎不全等
●数値が低い場合・・・キサンチン尿症、シスチン尿症、重症肝障害、気管支肺がん、                      重金属中毒など
クレアチニン(CRE)
[正常値:0.6~0.9mg/dl]
筋肉が収縮する際、クレアチンリン酸というリン酸がエネルギーとして働く。これが使われた後に老廃物として残るのがクレアチニン。尿素や尿酸窒素と同じく、腎臓の糸球体で濾過され、尿細管で再吸収や分泌をほとんど受けない為、腎不全など腎臓の疾患の評価材料として用いられている。糸球体の濾過量が減少すると数値は上昇し始める。
●数値が高い場合・・・急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、急性腎不全、慢性腎不全、鬱血性心不全、出血など
●数値が低い場合・・・筋ジストロフィー症、尿崩症
ALP(アルカリフォスファターゼ)
[正常値:110~354IU/l]
体内のほとんどの臓器や組織に分布しているリン酸酵素。特に肝臓や腎臓、副腎、小腸粘膜、骨、胎盤など、物質交換の盛んな部位の細胞膜に存在する。肝臓から胆汁中に排出されるので、胆石や胆がんで胆汁が鬱滞した場合に胆汁中のALPが血液に溢れ出てきて高い数値を示す。また、骨でもつくられているので、骨の腫瘍や骨軟化症でも数値が上昇する。
●数値が高い場合・・・胆汁鬱滞、ウィルス性肝炎、肝がん、胆がん、胆石、骨腫瘍、骨軟化症
●数値が低い場合・・・低アルカリフォスファターゼ血症
ZTT(硫酸亜鉛混濁試験)
[正常値:2.0~12.0K.U]
血清の中に試薬を垂らし、混濁や凝固、沈殿などの様子を見る検査を膠質反応検査という。この検査ひとつで、硫酸亜鉛を用いるのがZTT。肝炎の慢性化を知るための検査で、肝硬変では著しく数値が上昇する。自動操作で検出が簡単。しかも結果が早く出るとあって、以前はチモール混濁試験(TTT)同様、頻繁に行われていた。しかし、現在はともに若干下火傾向にあるようだ。
●数値が高い場合・・・肝硬変、慢性および急性肝炎、各種膠原病、結核など
●数値が低い場合・・・閉塞性黄疸、高蛋白尿疾患、悪性高血圧、糖尿病など
LDH(血清乳酸脱水素酵素)
[正常値:180~450IU/l]
糖質をエネルギーに変えるのに必要な酵素。肝臓や腎臓、心筋、骨格筋などの細胞や赤血球に多く含まれる。細胞中の活動が障害されると血中に流れ出て、毛中のLDH活性が高くなる。ほぼ全身の臓器に存在しているので広範囲の疾患に対応するが、疾患を持つ臓器の特定が難しい。そこでアイソザイム(同位酵素)を調べることでより正確な診断を行うこともできる。
●数値が高い場合・・・悪性腫瘍、悪性リンパ腫、肝硬変、急性肝炎、肝がん、胆がん、心筋梗塞、白血病
●数値が低い場合・・・糖尿病
ALT(GPT)
[正常値:5~45IU/l]
肝臓にもっとも多く含まれるトランスアミナーゼという酵素の一種で、アミノ酸を作り出す働きを持つ。肝臓病と心臓病を鋭敏にとらえることが出来るポピュラーな検査のひとつ。肝細胞が破壊されると毛中に流れ出すので、急性肝炎で強く上昇する。慢性肝炎、脂肪肝でも上昇するが比較的ゆるやか。
●数値が高い場合・・・急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝腫瘍、心筋梗塞、筋疾患など
●数値が低い場合・・・ビタミンB6欠乏症、薬物C不活化剤、ペニシラミンの投与
AST(GOT)
[正常値:11~37IU/l]
心筋や肝臓に多く含まれる酵素で、ALT同様、トランスアミナーゼの一種。骨格筋、腎臓、血球にも認められる。心筋梗塞や急性肝炎、アルコール性肝障害などで上昇する。ALTとの比較でさらに詳しい診断が可能。例えばASTとALTがともに上昇し、ASTがALTの値を上回ると肝硬変、肝臓がんの疑いが。さらにASTが5倍ほど上回る高い値になると心筋梗塞が疑われる。
●数値が高い場合・・・急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝障害、薬物性肝障害、急性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝細胞がん、胆がんなど
●数値が低い場合・・・ビタミンB6欠乏症
γ-GTP
[正常値:10~65IU/l]
肝臓や腎臓、胆道、膵臓、脾臓などに含まれる酵素で、蛋白質を分解する働きを持つ。アルコールとの相関関係が深く、アルコール性肝障害の診断、予防や早期発見に欠かせない検査。臓器に異常がなくても前日の飲酒等で敏感に反応する。長期飲酒者でも上昇することが多いが、1ヶ月ほど禁酒するとある程度正常化する。アルコール性肝炎や脂肪肝、肝硬変では飛躍的に数値が上昇。
●数値が高い場合・・・アルコール性肝障害、薬物性肝障害、急性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝細胞がん、胆がんなど
●数値が低い場合・・・妊娠時の胆汁鬱滞性黄疸や経口避妊薬による肝内胆汁鬱滞
総蛋白
[常値:6.5~8.2g/dl]
血液の上澄み液である血清中には80種類以上の蛋白が含まれており、その総量を総蛋白として測定している。蛋白はそれぞれ生命維持に大きな役割をはたしている。なかでも主なのがアルブミン免疫グロブリン。アルブミンは全体の半分以上を占め、血液の濃度を調整する役目を持っている。グロブリンは血液凝固、病気の抗体、栄養分の運搬などが主な役割。
●数値が高い場合・・・血液濃縮、脱水(発熱、下痢、嘔吐)、多発性骨髄腫、慣性感染症など
●数値が低い場合・・・悪性腫瘍、吸収不良症候群、慢性肝疾患、ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症候群など
白血球数(WBC)
[正常値:35~100×102/μl]
白血球には顆粒球、単球、リンパ球の3種類がある。体内に細菌などの異物が侵入すると食べて殺してしまうのが顆粒球と単球。残りのリンパ球も免疫作用を持つなど、生体防御の中心となる存在である。白血球数を調べることで、カラダの抵抗力や免疫力がわかるわけだ。細菌感染症があると一般に白血球数は増加。ウィルス感染の場合は減少することもある。
血小板数(PLT)
[正常値:14.0~38.0×104/μl]
出血を止めるために重要な役割を担っているのがこの血小板。カタチは円形または楕円形で核は持っていない。直径は2~4ミクロン。物の表面にくっついたり、仲間同士くっつきたがるという奇妙な性質を持っているおかげで、人間のカラダは大切な血液を失わずにすんでいる。血小板数の数値が極端に減少すると、小さな傷も命取りになりかねない。
赤血球数(RBC)
[正常値:男)425~570 女)375~500(×104/μl)]
血液の45%近くを占める細胞成分。酸素を肺から各組織に運ぶのが主な仕事だ。カタチは両面がへこんだ円板状。表面積をより広くして、酸素交換の効率を高める工夫のデザインなのである。直径は平均7.5ミクロン、厚さは2ミクロン。赤血球数は貧血の有無を知る目安となる。
ヘモグロビン量(Hb)
男)13.3~17.4g/dl 女)11.2~14.9g/dl
酸素濃度の高いところで酸素と結びつき、低いところで放出する性質がある。ヘモグロビン量も貧血の有無を知る目安のひとつ。
ヘマトクリット値(Ht)
男)39.0~50.4% 女)34.0~44.0%
一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)をパーセントで表示したもの。同じく貧血の有無を知る材料となる。
平均赤血球容積(MCV)
80.0~100.0FL
赤血球1個の平均的容積、つまり赤血球の大きさの指標となるもので、赤血球数とヘマトクリット値から算出。貧血の種類の判定の目安となる。
平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
26.0~34.0pg
赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したもので、赤血球数とヘモグロビン量から算出。貧血の種類の判定の目安。
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
32.0~36.0%
赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比をパーセントで表したもので、ヘモグロビン量とヘマトクリット値から算出。貧血の種類の判定の目安。